先月、アクサダイレクトがロードサービスを改定したという記事を書いたばかりだが、アメリカンホームダイレクトもロードサービスを7月1日から拡充するようだ。
http://www.americanhome.co.jp/news/20090605.html
いくつかメニューがあるが、私が注目するのは以下の2点
・自走不能時のレッカーサービス無料けん引距離を10kmから50kmに延長
・事故現場対応サポート(新規導入)
レッカー距離を従来の10kmから50kmに大幅拡充したことによって、ダイレクト各社のロードサービスの無料距離のサービススペックのランキングは以下のとおりになった。
1位 チューリッヒ(顧客指定先:100キロまで、最寄の修理工場:無制限)
2位 アメリカンホーム(顧客指定先:50キロまで、最寄の修理工場:無制限)
3位 アクサ(顧客指定先:35キロまで、最寄の修理工場:無制限)
4位 ソニー損保(35キロまで)
5位 SBI損保(顧客指定先:30キロまで、最寄の修理工場:無制限)
6位 イーデザイン損保(顧客指定先:30キロまで)
7位 そんぽ24(顧客指定先:15キロまで、最寄の修理工場:無制限)
8位 三井ダイレクト(最寄の修理工場:10キロまで)
上位を「外資系」グループが独占し、「国内系」グループが下位グループというようにきれいに分かれた。
特に上位2社であるチューリッヒ、アメリカンホームは、自動車保険が対前年割れをしているので、サービスの強化を急いでいるのだろう。
次に「事故現場対応サポート」だが、これはよく見ると
「原則として事故現場まで30分以内で駆けつけることが可能と判断される場合のみ利用可能です。(30分以内に駆けつけ可能か否かは、事故発生場所/曜日時間帯等によります。)本サービスにおける「現場対応サポート要員」は弊社提携会社から派遣されるため、保険契約上の判断業務(保険対象事故か否かの判断、過失割合の認定、示談代行等)および事故相手方との直接交渉を行うことはできません。」
と書いてあるとおり、実際の利用シーンは極めて限定されるだろう。
企業側からすると、発生頻度が低いので、おそらくコストはたいしてかからずに、「現場に駆けつける」という消費者にはイメージの良いサービスをそろえることができるメリットがある。
「現場急行」的なサービスは、サービスを企業側の視点からしか考えられない会社だと、「ニーズが少ないので必要ないサービス」ということになってしまう。
イーデザイン損保のような「信頼感」を売りにした会社が参入し、ダイレクト自動車保険会社間の競争が激化しているいま、事故対応やロードサービスをマーケティングツールとして考え「コストがかからない割りに、消費者受けがいいサービス」揃えていくかというところが生き残りには必要になってきていると私は考える。
各社の知恵の絞りどころだ。