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01自動車保険ニュース アーカイブ

2008年8月14日

アクサダイレクト商品改定を評価 その1

最近良く参考にさせていただいている現役損保社員:辻田さんのブログで知ったのだが、アクサダイレクトが自動車保険の商品改定を10月22日に行うと発表した。


ニュースリリースの記事はこちらのとおり。
http://www.axa-direct.co.jp/Company/press_080812.html


まず対物全損時修理差額費用担保特約から。


相手の修理代がその車の時価を上回った場合、技術的には修理可能であっても「経済的全損」として、従来は時価額しか賠償されなかった。
景気低迷などによって、車の買換えサイクルが長期化することによって古い車が多くなり、この全損事故となるケースが増えてきた。


車の持ち主にしてみれば、修理できるのであれば修理してもらいたいという心情は理解できる。
しかし、このような場合に「修理代は払えません。時価額までしか支払えません。」という交渉を保険会社の事故担当者はしなければならなかった。

この特約がついていれば、保険会社も契約に基づいて、時価額を超える修理費を支払うことが出来る。


建前は、「スムーズな事故解決が出来ます」とあたかも契約者のメリットをうたっているが、実際のところは事故担当者の負担感軽減による生産性の向上が一番の目的だろう。


ダイレクト自動車保険のように、電話での交渉が中心な保険会社では、1件の事故に時間を掛けていられないだろう。
このため、(契約者にお金を払っていただき)この特約をつけてもらえれば、自分の仕事も楽になるのである。

今回アクサダイレクトが導入した大きな理由の1つはこの事故担当者の生産性向上ではないかと推測する。


ということで、実は契約者側のメリットよりも、保険会社の事故担当者の生産性向上のために、契約者側にコスト負担をしてもらうといううさんくさい特約なのだが、最近では既存国内損保も付帯を進めていることもあり、スタンダードな特約になりつつある。


ダイレクト自動車保険でこの特約をつけられるのは、辻田さんのブログで整理されているよるように「そんぽ24、SBI損保、三井ダイレクト、アクサダイレクト」の4社であり、ソニー損保、チューリッヒ、アメリカンホームは取扱っていない。


既存国内損保や他社からの契約移行時に、同等の商品ラインナップが揃えられていないと営業的にマイナスに働くことから、今後ダイレクト各社で導入が進むものと思う。


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2008年4月10日

アドリック損保 開業【速報】

アドリック損保が2008年4月8日開業した。

「アドリック損保」という保険会社をご存知の方は少ないと思われるので、簡単に説明すると、「保険市場」という来店型保険代理店チェーンを経営する「アドバンスクリエイト」と既存国内損保のあいおい損保の共同出資の損害保険会社である。


アドリック損保の概要

1. 商号 : アドリック損害保険株式会社
2. 本店所在地 : 大阪府大阪市中央区淡路町三丁目6番3号
3. 代表者 : 代表取締役社長 井口 卓郎
4. 資本金 : 15億円
5. 株主構成 : 株式会社アドバンスクリエイト 50.1%、あいおい損害保険株式会社 49.9%
6. 役職員数 : 49名


アドリック損保のウェブサイトは、黄土色をメインカラーとしたデザインや雰囲気、イメージキャラクターの「アドくん・リックさん・レッカーくん」はこれまでのダイレクト損保にない斬新なもので、強烈なインパクトがある。

http://www.adlick.co.jp/


さっそく見積りをしてみた。
全体的な印象だが、非常に使いにくい。元損保社員の私でも、何度もつまづいて先に進めないところがあった。
画面のレイアウトこそ違うものの、つい先日開業したSBI損保と極めて似た見積りシステムである。
両社のシステムが似ているのは、両社ともあいおい損保との共同出資会社だからだろうか。

保険料については、SBI損保とアドリック損保はほぼ同程度ではないかと推測していたが、何件か見積もりをした範囲ではアドリック損保のほうが大幅に高い。

もし保険料水準が高めならば、その価格に見合った価値を顧客に納得してもらわなければ、アドリック損保の自動車保険は消費者に選択されないだろう。

ざっと見たところでは、ロードサービスのスペックも同じあいおい出資のSBI損保より大幅に劣るし、事故処理体制についても見るべきところは特になさそうだ。
強いていうなら「当日3時間以内の担当者からの連絡」くらいだろう。

ダイレクト自動車保険の中でも「勝ち組」「負け組」がはっきりしつつある中で、新規参入してきた「アドリック損保」はこれからダイレクト自動車保険の中でどのようなポジショニングとマーケティング戦略をとっていくのだろうか。
企業コンセプトの「Web to Call to Real」がこれからどのような顧客価値を産み出していくのか非常に興味深い。

それにしても、SBI損保・アドリック損保と、あいおい損保が様々な会社と共同出資で、損保会社を量産するメリットが私にはわからない。
まずはSBI損保とアドリック損保の動向をしばらくウォッチしていくこととする。


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2008年3月 5日

アクサダイレクト 休日の事故対応サービス体制を拡充

2008年2月29日、アクサダイレクトが休日の事故対応サービス体制を拡充すると発表した。

これまで休日事故の初期対応サービスは、ソニー損保、三井ダイレクトの国内系2社だけであったが、新規参入のSBI損保がこれに続き、ダイレクトでは4社目の休日事故の初期対応サービスとなる。

サービス開始当初はサービスの差別化要素とされていたが、今となってはダイレクト自動車保険でのスタンダードなサービスとなりつつある。

週末ドライバーが多いであろう顧客層を考えれば当然の流れである。

そのうち「休日でもその日のうちに正式な担当者が決定し、その日のうちに担当者がアクションを開始」というサービスを始める会社がでてくるであろう。
それと、平日夜間の正社員の対応時間の拡充も避けられない流れだろう。

ダイレクトもここにきて保険料競争から事故対応の品質の向上競争になってきている。
最終的には、事故対応拠点ネットワークが、ダイレクトの品質の差別化の決め手になると私は考えている。


【以下ニュースリリース】

2008年2月29日

アクサダイレクト 休日の事故対応サービス体制を拡充
~休日でも正社員による初期対応を実施~

アクサ損害保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石田 一夫、以下「アクサダイレクト」)は、3月1日より、正社員による休日の初期対応時間を拡大します。

これは、事故通知の多い休日の対応を充実させ、お客様へのサービスの質および利便性の向上を図ることが目的で、平日、休日にかかわらず、19:00までに通知を受けた事故について、相手方、修理工場、医療機関等関係先への連絡と、お客様への結果報告を含む初期対応を、正社員が行うというものです。正社員の起用は、保険事故に対する判断領域を広げ、より迅速な事故対応を可能にします。そのため、お客様により一層の安心をご提供する上で、大変重要な要素であると、当社は考えております。

また、当社では保険金支払いを迅速に行うためのサービスとして、「クイックサービス」を実施。専任チームを設け、車両保険や対物賠償保険に関わる事故の早期対応を行っています。今回、当社独自の満足度調査において、試験的に行っていた休日の「クイックサービス」への満足度が高いことから、休日のサービス時間を延長するなど、休日でも平日同様の対応ができる体制の拡充を図りました。これにより、当社契約者に100%過失のある物損事故については、休日でも 17:30まで、正社員の担当者が、示談交渉を含む幅広い事故対応サービスを、ご提供できるようになります。


当社の損害サービス(事故受付・初期対応・事故対応)体制

<初期対応>

 平日・休日 9:00~19:00
 19:00までに受付が完了した事故について、当社社員が、相手方、修理工場、医療機関等関係先への連絡などの初期対応まで行い、対応結果をお客様に報告いたします。

<クイックサービス>

 平日・休日 9:00~17:30
 特に対応が急がれる、当社契約者に100%の過失がある物損事故について、休日でも担当者が、被害者 へのご連絡や、代車手配、示談交渉など幅広い事故対応サービスを行います。

<事故受付>

 24時間365日、現場からの1本のお電話で最大限のサービスを提供する「ワンステップ事故対応サービス」 を提供し、専任スタッフが、事故の受付、事故現場での緊急措置のアドバイス、アシスタンスサービスの 手配、などを行います。
  

このほか、当社では、被害事故の場合でも、専任の相談員が親身にアドバイスするサービスをご用意しています。また、災害時などに役立つ新しい情報サービス「ライフメールサービス」を全契約者に提供しており、①自然災害通知「防災めるくる」、②安否確認メール「安否めるくる」、③天気予報サービス「お天気めるくる」、④生活情報サービス「生活めるくる」を、お送りしています。

アクサダイレクトは、「安心をグッドプライスで」を基本コンセプトに、これからもより付加価値の高い商品やサービスの向上に努め、お客様から信頼され、選ばれる保険会社を目指して参ります。


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2008年1月31日

速報:チューリッヒの新ロードサービス

チューリッヒがロードサービスを2月1日から大幅にグレードアップさせると発表した。

例えば無料ロードサービスが「顧客の希望先まででも100キロまで無料。最寄の提携修理工場までなら距離制限なし」のように非常にインパクトのあるものである。
(ちなみにダイレクト自動車保険で最低スペックは三井ダイレクトの「最寄の工場まで、しかも10キロ以内まで」である)
つい先日、私のメインサイトをリニューアルしたところであるが、なるべく早くSBI損保とチューリッヒの最新のサービス内容を反映させる予定である。


「ロードサービスのサービススペックNo.1」という消費者に伝わりやすい営業戦略をとってきたチューリッヒの動向に注目したい。

[以下ニュースリリース文]

チューリッヒ保険、新ロードサービス「チューリッヒ・ケアプラスサービス」を提供
チューリッヒ保険会社
新ロードサービス「チューリッヒ・ケアプラスサービス」新登場
24時間365日、業界最高レベルのサービスを提供


 チューリッヒ保険会社(東京都新宿区 日本における代表者および最高経営責任者 小関 誠)は、同社のスーパー自動車保険発売10周年を迎えるにあたり、同商品付帯サービスであるロードサービスをさらに進化させた業界最高水準の新サービス「チューリッヒ・ケアプラスサービス」を、2008年2月1日より提供いたします。

 「チューリッヒ・ケアプラスサービス」の主な特徴は以下の通りです。

 (1)事故・故障時の現場からお客様指定の修理工場等への契約車両のレッカーサービスの無料対象距離を100kmに引き上げ
 (2)事故・故障発生後にかかる緊急の帰宅費用や宿泊費用の上限を撤廃
 (3)24時間まで基本料金無料のレンタカーサポート
 (4)ペットが同乗中、事故、故障で帰宅できない場合のペットホテル費用等を補償するペットケアサービスの提供


 これらのサービスはスーパー自動車保険の契約者に対する緊急対応実績や発生頻度を分析し、お客様の声やニーズに応えるべく開発された新しいロードサービスであり、ご契約初年度より業界最高水準のサービスを提供させていただくことになりました。

 CEOである小関誠は次のように述べています。「お客様が自動車保険を選ぶ際に、優れたロードサービスはとても重要なファクターであると理解しています。チューリッヒは企業理念である「ケア」と「イノベーション」に則りお客様のニーズや利便性にお応えするために、今後もこの「ケアプラスサービス」の価値を高めることにより、顧客満足度の高い商品・サービスの提供を目指します。」

 チューリッヒは、先般発表のJ.D.パワーアジア・パシフィックによる「2007年自動車保険顧客満足度調査」では自動車保険顧客満足度において4年連続No.1を受賞しました。(※1)

 チューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ グループは、北米、ヨーロッパ、アジア、中南米などに事業拠点を持つ国際ネットワークを誇る、保険事業を基盤とした金融サービス・グループです。スイスのチューリッヒ市を本拠に1872年に設立され、およそ58,000人の従業員を有し、170カ国以上でサービスを提供しています。

(※1)出展:J.D. パワー アジア・パシフィック2004~2007年日本自動車保険顧客満足度調査SM。2007年調査の自動車保険顧客満足度は、契約時の経験や商品・サービスの内容に関して自動車保険契約者12,044名から回答を得た結果。2004年は同率1位。


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SBI損保が開業! その3

自動車保険選びで最も重要なファクターと考えるものが事故処理体制である。

SBI損保は既存国内損保のあいおい損保が出資していることもあり、
他のダイレクト自動車保険を凌駕する事故処理体制を構築してくると予想していた。
しかし、これといって目新しいものはなく、先行社に追随してきたレベルであった。


■24時間365日の事故受付体制

事故の受付は24時間365日年中無休。『SBI損保安心ホットライン』(フリーコール)は携帯電話からでも無料でつながります。もしものとき、まずはご連絡ください。もちろんインターネットを使ったマイページからの事故のご連絡も受け付けています。


やっていない自動車保険を探すほうが困難な「24時間365日の事故受付」をウェブサイトでわざわざ訴求するのはなぜだろう。

ダイレクト各社でサービス差別化を行っているのは、「事故受付後の初期対応」の対応時間である。アクサダイレクトなどの外資系では平日夜間や土日の初期対応サービスはやっていない一方、ソニー損保などでは、平日夜間や土日の事故受付でも、事故受付後に速やかに初期対応をやっている。

この初期対応についてSBI損保に電話をして問合せてみた。
その結果「土日も含めて9:00~21:00に初期対応を実施している」という回答であった。

土日や平日夜間の初期対応サービスで最もサービススペックが優れていたのは、ソニー損保の9:00~21:00であったが、これにSBI損保も追随してきた。(一方、ソニー損保の優位性が弱まったということでもある)

ダイレクト自動車保険で最高水準の土日や平日夜間の初期対応サービスをやっているなら、もっと訴求したらよいのだが、なぜ訴求しないのか。不思議である。


■専任スタッフによる示談交渉

対人・対物の賠償事故が発生した場合、人身事故・物損事故のそれぞれにプロの専任スタッフがチームで連携して対応します。SBI損保がお客さまに代わって示談交渉を行いますのでご安心ください。


ソニー損保に代表される1事故1担当者制ではなく、既存の国内損保と同様に、対人・対物で担当が分かれる体制をとってきた。

対人・対物で担当を分ける理由は、損保側の業務効率のためであり、顧客側のメリットはさほどない。
むしろ、1つの事故なのに複数の担当者に話をしなければならないデメリットが大きい。

SBI損保が対人・対物で担当を分ける体制をとってきたのは、あいおい損保の影響だろう。
(推測だが、示談交渉をあいおい損保に外注しているのかもしれない)
そもそも本社の管理部門を含めた全役職員数が36名(2007年12月現在)のうち、どれくらい事故担当者がいるのか疑問である。


■お客様訪問サービス

死亡事故や入院事故など、突然の交通事故で不安になられているとき、平日・休日を問わずスタッフがお客さまのもとにうかがい、必要な対応や書類について丁寧に説明させていただきます。


三井ダイレクトのサイトリニューアルについての記事でも書いたが、「誰が駆けつける」かどうか書いていないところがミソだ。おそらくSBI損保の社員が駆けつけるわけでもなく、外注の業者が顧客の要望ベースで面談するというものと思われる。
http://blog.sonpo-direct.com/2005/05/post_17.html


「お客さま訪問」という言葉は、「ダイレクトは電話対応だけ」という印象を持ちがちな一般の消費者にとっては魅力的に映るだろう。


■その他

被害事故相談サービスや、書類省略サービスなど、他のダイレクトが当たり前にやっていることは一通りラインナップとしてそろえてきた。


ウェブサイトに記載されているのはこれくらいなのだが、示談交渉を行うサービスセンター(事故処理拠点)のネットワークについて一切記載がないため、SBI損保にこれについても電話をして問合せてみた。

「東京(恵比寿)・札幌・仙台・新潟・名古屋・大阪・広島・福岡の全国7ヵ所」との回答を得た。

7地点というのは、三井ダイレクトやアクサ、チューリッヒのサービス拠点の設置地点数よりも多い。
しかも日本海側にサービスセンター拠点を持つのはダイレクト自動車保険でSBI損保が初めてである。

気になるのが、東京のサービスセンターの「恵比寿」というのは、あいおいの本社の所在地という点である。
もしかするとあいおいのオフィスの中に電話とデスクを置いて、1人ずつくらいSBI損保の社員を駐在させているだけで、実体がないのかもしれない。

いずれにしても、サービスセンターのネットワークの充実度は、最近発売された週刊ダイヤモンド2008/02/02の保険特集でも自動車保険の比較軸にされているように、自動車保険の実力を量る上で重要なものである。
(ただし週刊ダイヤモンドは、実際の「設置地点」には注目せず、「拠点数」をそのまま掲載している詰めの甘い記事であったが。)

その意味では、なぜ7地点に設置しているということをウェブサイトに掲載しないのだろうか。
単にPR下手なのか、それとも公開できない裏事情があるのだろうか。


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2008年1月17日

SBI損保が開業! その2

SBI損保の開業についての第2弾。
今日は、SBI損保のロードサービスを評価してみることとする。


SBI損保の場合、出資元のあいおい損保の子会社である「(株)安心ダイヤル」社がロードサービスを提供している。
まず、目に付いたのが、「レッカーサービスが30キロまで無料」という点である。

これまでダイレクト自動車保険に付帯するロードサービスで、無料レッカー距離が最も長かったのはソニー損保(20キロまで)であり、これを10キロも上回るものである。
(ちなみに最も短いのは三井ダイレクトの10キロまで)

ダイレクトの中で、ロードサービスそのもののサービススペックは、自動車保険というわかりやすい商品において、単純に比較しやすい数少ないものであり、「無料レッカー距離がダイレクトでNo.1」というSBI損保のサービススペックは非常に大きなインパクトがある。

ただし、ここには注意点がある。
・レッカー先が「SBI損保が案内する最寄の工場」であり「顧客の希望工場」ではない点
・契約2年目以降の無料距離のグレードアップがない点
の2つである。

1点目に関しては、おそらく、あいおい損保の代理店をやっている修理工場に入庫誘導するためであろう。
レッカー自体、あいおい損保の代理店である修理工場がやっている可能性が高い。
修理工場の本業支援につながれば、あいおい損保がダイレクト損保を支援することについて、代理店に大義名分ができる。

2点目に関しては、他のダイレクト自動車保険のロードサービスは、契約2年目以降は無料の距離が拡大されるところが多く、SBI損保の「30キロまで無料」というのは、No.1ではなくなる点に留意すべきということである。
例えば、チューリッヒは2年目以降は、「最寄の工場までなら距離制限なし」だし、ソニー損保も「35キロまで無料」となる。

ただ、SBI損保もこのままということはなく、今後2年目以降の顧客へのサービスメニューが開発してくるものと推測される。


次にSBI損保のロードサービスで気がついた点であるが、「宿泊・帰宅費用サービス」がない無料でない点である。
「宿泊・帰宅費用サービス」とは外出先で、事故や故障で自走不能となった場合、そこから自宅や目的地までの交通費や宿泊費を無料でサービスしてくれるサービスである。
ダイレクト自動車保険では、アメリカンホームを除くダイレクト(「チューリッヒ・アクサダイレクト・ソニー損保・三井ダイレクト・そんぽ24)で提供されている。(サービス適用条件は各社異なる)

SBI損保では、この「宿泊・帰宅費用サービス」に相当するサービスを無料ではなく、「事故・故障損害等に関する付随費用担保特約」という有料の特約(オプション)で提供している。

私はなぜこの「宿泊・帰宅サービス」を無料サービスとしなかったのか理解に苦しむ。
実際にこのサービスを無料としたところで、年間で実際にサービス提供が必要になるトラブルの発生頻度はそれほど高くなく、コストもたかがしれているのではないだろうか。

たとえ若干コストがかかったとしても、「宿泊・帰宅サービスが無料ではない」という他ダイレクトより劣ったイメージを与えるを考えると、無料化すべきだ。


ということで、SBI損保のロードサービスに関しては、無料レッカーはダイレクトNo.1である一方、宿泊・帰宅費用サービスが無料ではないという、非常にアンバランスな状態と評価できる。

マーケティング的には、後発のSBI損保が「ロードサービスNo.1」というブランディングをするほうがわかりやすく、消費者のレスポンスがよさそうと考えるのだが、いかがだろうか?


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2008年1月16日

SBI損保が開業! その1

ダイレクト損保に新規参入することが明らかとなっていた「SBI損保」が2008年1月16日に開業した。

まずは会社概要から。

【会社概要】
会社名   : SBI損害保険株式会社
本社所在地: 東京都港区六本木1丁目6番1号
代表者   : 代表取締役社長 松井 真治
資本金   : 15億5,000万円
株主構成  : SBIホールディングス株式会社 61.60%
          あいおい損害保険株式会社 33.40%
          ソフトバンク株式会社 5.00%

ソフトバンクグループとあいおい損保の共同出資会社であり、ダイレクト自動車保険の最後発ということで、どのような切り口で参入するのか非常に注目していた。

これから、何回かに分けて同社の商品・サービスについて評価していくこととする。

まずは商品から。

最初に目に付いたのは、
「「スタイリング」であなたにフィットする補償をご提案」というものである。

説明によると・・・
SBI損保では、個人向けの自家用車の使用実態・年齢層などを詳細に分析することにより、お車のスタイルを、弊社独自の基準(お車の形状、車種、所有者の使用特性等)により、「軽自動車」「ミニバン」「セダン・ワゴンなど」の3つに分類し、定めております。
らしい。。。

それぞれ3つに分類して、そのパターンごとに特約(オプション)をつけることを提案するという手法である。

たとえば、「軽自動車」の人は「女性」が多いと決めつけ、「安心ケガの跡も治したい 形成手術費用担保特約」と「安心うっかり事故には自宅・車庫等修理費用担保特約」と2つの特約の付帯を勧めている。

一人一人異なるライフスタイルを車のタイプだけでセグメントするという手法はあまりにも乱雑な印象を受ける。
「軽自動車=女性」「ミニバン=子供あり・キャンプ好き」は安易過ぎないだろうか?
このようなパッケージの手法はいかにも既存の国内損保の商品企画部門が考え付きそうなものである。

しかも、このパッケージで付帯を勧めている特約は、あいおい損保が得意としているマイナーな特約だ。
昨年来の保険金不払い騒動で問題となったのは、これらのマイナーな費用を補償する特約であったという教訓を活かしていないのだろうか。
不払いを防ぐ目的で、東京海上日動社や損保ジャパンなど主要損保では、特約のラインナップを減らす方向性を出しているがが、その時代の流れに逆行しているものだ。

この「スタイリング」による補償の提案以外に、SBI損保の商品の特徴は見当たらない。
商品を見る限り「SBI損保」という新しい損保らしいところは一切感じられず、「あいおい損保ダイレクト」の保険といった印象を受けた。

商品としては今のところこんなところだ。


それよりも、会社概要を見て気がついたことがある。
昨年(2007年)12月26日に保険業の免許を取得したのだが、その際のSBI損保、SBIホールディングス社、あいおい損保社のニュースリリースでは「役職員数」がどこにも掲載されていない点である。

しかし、同日の金融庁の発表資料では、「役職員数:36名」と記載されていた。
SBI社らは、意図的にこの「役職員数:36名」を公表しなかったのである。
おそらく消費者にネガティブな印象を与えると判断したのだろう。
今日、公開されたSBI損保のサイトの会社概要にも、「役職員数:36名」はどこにも記載されていない。

たった36名の役職員で、自動車保険を取扱う保険会社とはいったいどのようなものなのか、非常に興味深い。

次回につづく・・・


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2007年12月29日

三井ダイレクトのサイトリニューアルを評価 その1

三井ダイレクトが12月25日にサイトリニューアルを行った。

なかなか興味深い点があるため、コーナー順に評価していきたい。

まずは、「事故対応時のサービス」の「親身で誠実なサポート」から。

このコーナーでは「事故対応時のサービス」を「親身なサービス」「身近なサービス」「休日でも安心のサービス」の3つに分類している。






■「親身なサービス」
特に以前と訴求ポイントは変わっていないが、三井ダイレクトの特徴的な部分としては、「被害事故専任担当」がある。

要は、0:100の被害事故であれば、どこの保険会社も示談代行できないのだが、そこの部分を「専任担当をつけて相談にのる」というサービスである。

被害事故の相談対応は、三井ダイレクト以外のダイレクト各社もサービスとしてやっているが、「専任担当」とまではしていない。

保険会社は一般的な相談にはのれても、示談交渉をすることはできないので、実際にはたいしたことはできないのだが、「専任担当」という演出は巧いと感じる。




私の経験から言うと、「被害事故」の相談ほど、気楽で、かつ、顧客に感謝される仕事はないと思っている。

しかし会社側は「保険金を払う仕事以外の顧客サービス」は「本来業務ではない」と考えているのか、いくら相談対応で顧客から感謝されても、担当者を評価しないことが多い。

本来は、被害事故の相談対応をした顧客に対して、アンケートを行うなどして、その相談対応がどの程度満足いただけたものか把握して、評価が低い担当者は相談業務から外すなどをすべきではないだろうか。






■「身近なサービス」
このコーナーでは平日時間外の対応業務について、以前より訴求を強めている。

「お客さまからのあらゆるお問い合わせにも平日19時まで(※)対応しておりお仕事後でも安心です。
※一般の損害保険会社は17時までです。」

この「一般の損害保険会社は17時までです」と言い切るあたりは、すごい。
「一般の損害保険会社」の定義はなんだろうか?




「お客さまからのあらゆるお問い合わせや相手との交渉に備え、平日19時までスタッフが待機しています。だからお仕事後でも大丈夫です。「17時以降は連絡がつかなかった」という経験はありませんか?」
平日の問い合わせ対応を19時というのは、誰が対応をしているのか興味深い。
実際の専任担当者が毎日9:00~19:00まで勤務しているとも考えにくい。
採用情報を見ても、事故部門の勤務時間は「9:00~17:00(標準)」と書いてある。

おそらくシフト体制を取って、現地サービスセンターの誰かが19:00まで残っていれるのだろうか?
そうすれば他の担当者の事案でもファイルを引っ張り出して、電話対応をすることができる。

よくあるのが、17:00以降はコールセンターで集中受付をして、オンライン端末の交渉履歴などを見ながら、「ごく一般的な対応」をする会社であるが、実際に事案のファイルを見ながら対応することができないため、実質的には「担当者に申し伝えます」というメッセンジャーくらいの価値しかない。

それと比べると、もし三井ダイレクトが現地サービスセンターの電話を17:00以降も留守番電話に切り替えずに対応しているとすればたいしたものだ。






■「休日でも安心のサービス」
このコーナーは、休日の事故でも、受付だけではなく、初期対応のアクションを起こし、その対応結果をフィードバックするということを訴求している。
ソニー損保の「即日安心365」とよく似たサービスのようだ。


次に「休日お客さま急行」サービスについて。
「誰が駆けつける」かどうか書いていないところがミソだ。おそらく三井ダイレクトの社員が駆けつけるわけでもなく、外注の業者が顧客の要望ベースで面談するというものと思われる。
http://blog.sonpo-direct.com/2005/05/post_17.html

保険会社的には「たいした価値がない」と考えられがちなサービスだが、ダイレクト自動車保険において「お客さま急行」という言葉は、一般の消費者にとっては「よさげなサービス」と映るだろう。

「代理店がない」というダイレクト自動車保険において、「お客さま急行」とか「面談」というキーワードは、今後、事故対応の差別化を考える上で欠かせないものになってくると考える。






まだまだ書くネタはあるのだが、とりえあず今回はここまでにする。


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2007年7月31日

三井ダイレクト2007年度3月期決算について思う

三井ダイレクトが2007年度3月期決算を発表した。


この1年の収入保険料の増収額は、ダイレクト損保1位のソニー損保とほぼ並んでおり、この勢いだとソニー損保の増収額を来年あたり抜く可能性が高い。

この契約の伸びの背景には、徹底した「品質より低価格」という企業戦略が功を奏したのだろう。
低価格を維持するために、顧客への電話対応を放棄するなど、インターネットに特化してきている。

「低価格」商品戦略というと、少し前に話題となったベストセラー「下流社会」に紹介されていた「日清食品」の所得階層別の商品戦略とイメージが重なってくる。

日清食品の安藤宏基社長は2004年9月中間期の決算発表の場での発言。
「日本人は年収700万円以上と400万円以下に2極化する。700万円以上の消費者向けに高付加価値の健康志向ラーメンを、400万円以下の消費者向けに低価格商品を開発する」

この日清食品の社長の発言の背景には、社外取締役である丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長のこんな一言があったそうだ。
「日本の消費者は米国のように所得によって2極化する。低所得層を無視しては、これからの日本企業は成り立ちませんよ」。


考えてみれば、三井ダイレクトを立ち上げた商社・三井物産も「保険業界の吉野家を目指す」といっていた。

「三井ダイレクト」と「三井住友海上」
「年収400万円以下向け」と「年収700万円以上向け」

この「三井」の冠をつけた2つの会社は、所得階層別にターゲットを明確に区別しているとみることもできる。

・最小限の補償を低価格で提供する「三井ダイレクト」
・高付加価値の代理店サービスと手厚い事故対応の「三井住友海上」

2007年2月に三井住友海上が三井ダイレクトへの出資比率を高め、子会社化すると発表した際は、既存の三井住友海上の代理店の反発を予想する損保業界人も多かったが、明確に顧客層を分けているのであれば、既存の代理店の業績への影響はそれほど大きくないのではないだろうか。


話を戻すが「電話対応をしない」三井ダイレクトの具体的な事例がある。

三井ダイレクトでは「ドライバー保険」を2007年6月に発売開始しているが、三井ダイレクトのサイトの右上にある「お問い合わせ」というところをクリックしたところ、「ドライバー保険につきましてはお電話でのお見積もり、お申し込みの対象外となります」と明記されている。

「ドライバー保険」のメインターゲットについて三井ダイレクトは、「新規免許証取得層(大学生・新社会人等のインターネットとの親和性が高い若年層)やライフスタイルの変化により自動車を手放した熟年層等」としている。
これらの人は、一般的にマイカーを所有している人と比較して、保険知識に乏しい人が多いと推測される。
本来、このような顧客層に対して、難しい保険商品を販売するには、対面もしくは電話での商品説明やコンサルティングは欠かせない。

消費者にとってわかりやすくシンプルな保険(たとえば、旅行保険や個人賠償責任保険など)でない限り、たとえインターネット専売商品であっても、正しく保険を理解し、納得して加入してもらうために、電話でも見積りや申込みを受付けることは必要ではないだろうか。

しかし三井ダイレクトは、会社のコストを削減するために、電話での見積り・申込みを受付けず、インターネットのみに特化しているのである。

もし、間違って補償内容を理解したままドライバー保険の契約をしたために、いざ事故が起きても補償されないということが発生しても、何もしてくれない。すべて「自己責任」で片付けられてしまうだろう。


このように、電話対応をやめ、顧客とのコミュニケーション手段をインターネットにシフトしていくのは「安い保険料」を維持し続けるためには不可欠なのかもしれないが、少なくとも自動車保険(ドライバー保険を含む)ではやってはならないことと考える。

インターネット上でのクチコミ情報でも、三井ダイレクトの被害者のクレームが比較的多く見受けられるが、これも「コスト削減至上主義」が事故対応サービスの品質に影響を及ぼしているのだろうか。

参考:http://www.mynewsjapan.com/kobetsu.jsp?sn=337


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2007年6月23日

三井ダイレクトがドライバー保険発売

三井ダイレクトがドライバー保険を発売すると発表した。

ドライバー保険とは、簡単に言えば「免許は持っているが、自分の車を持っていない人」が他人の車を運転して事故を起こした場合に備える保険である。
(「他人の車」には家族(本人・配偶者・同居の親族が所有する車は含まれない点は要注意である。)

さっそく、三井ダイレクトのドライバー保険の「特長」をチェックしてみる。

【三井ダイレクトのドライバー保険の補償内容】
■基本補償

・借用自動車運転中の対人・対物賠償(示談交渉つき)
・自転車運転中の対人・対物賠償(示談交渉つき)

■オプション(任意で選択可能)
・3つの傷害保険(搭乗者傷害危険担保特約、人身傷害補償特約、自損事故傷害保険)を選択可

・他車との事故により対物賠償保険金が支払われる場合は、借用自動車の車両損害についての臨時費用をお支払いする車両損害臨時費用担保特約(5万円)も選択可

目新しいところとしては、「自転車運転中の賠償事故」を補償することと、借りた車を事故(車同士の事故に限る)で破損させた場合に、5万円を臨時費用として支払う特約がある。

【評価】
まず、「自転車運転中の賠償事故」を補償する保険というのは、一般的には「個人賠償責任保険」の範疇だと思う。

三井ダイレクトの「ドライバー保険」では「自転車事故に限定」しているところが要注意事項である。
一般的な個人賠償責任保険なら、自転車事故だけでなく、日常生活での賠償事故(たとえば、スキー場で他人をケガをさせた場合など)でも保障の対象になる。しかし、これをあえて「自転車事故に限定」するくらいなら、「自転車保険」を発売するほうがよっぽど気が利いていると思う。
保険料を安く見せるために、補償を薄くするというのがこれまでの三井ダイレクトの常套手段であるが、
補償を薄くする場所を間違っているような気がする。


次に「借りた車の損害に対し5万円の臨時費用」というのも、借りた車を事故で壊して、5万円ではどれだけ役に立つのか疑問である。しかも、車同士の事故しか支払われないということだと、借りた車をちょっとこすってしまった場合などは1円も支払われない。


「特長」として掲げている2つを見ると、いかにも「薄い補償を、安い保険料で」という三井ダイレクトのマーケティング戦略を象徴していると感じる。

この三井ダイレクトのドライバー保険の発売経緯についてサイトを見ると、
「他人の自動車やレンタカーを利用する際のリスクに備えるドライバー保険のより一層の普及の必要性に加えて、急増する自転車事故における相手方への賠償の備えとしてのニーズの高まりからこの商品を開発・発売することとなりました。」とある。これについてもコメントしてみる。


まず、「レンタカーを利用する際のリスクに備える」とあるが、普通のレンタカーには、対人・対物や搭乗者傷害がカバーされる自動車保険がついており、ドライバー保険は一般的には必要ない。
それよりも、レンタカーでは、事故を起こした場合にレンタカー会社から請求される「ノンオペレーションチャージ」と呼ばれるペナルティ(5万円~12万円前後)のほうが痛い。

また、「他人の自動を利用する」とあるが、三井ダイレクトのドライバー保険に加入しても、借りた車を壊した場合、5万円(しかも車同士の事故のみ対象)しか支払われない。

ドライバー保険を自ら加入しようと思う人にとっては、「借りた車を壊してしまった場合の補償」が重要なのではないだろうか?(対人・対物は当然として)
さらに、借りた車の保険を使った場合に、その車の自動車保険の等級をダウンさせてしまう(=車の持ち主の保険料アップ)ことを考えると、ドライバー保険に入ったからといって、安心して他人の車を運転できるとはいえない。車の持ち主に迷惑を掛けると、後々の人間関係にも影響が出かねない。


古くからある「ドライバー保険」を、ダイレクト系の損保がインターネット専用商品として発売するからには、もっと消費者のニーズを捉えた画期的な商品として発売して欲しかった。

ダイレクト系売上1位のソニー損保が目新しい顧客サービスや補償を出してこなくなり、ある意味「普通の保険会社」となってきている現在、業績を急激に伸ばしている三井ダイレクトの動向に個人的に注目していただけにちょっと残念である。



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2007年1月17日

東京海上日動の「特約簡素化」について思う

東京海上日動が、「保険金不払いの再発防止を図るため」、様々な特約を廃止することが明らかとなった。

一連の保険金不払いの再発防止というと聞こえがよいが、廃止する特約の種類を見て、業界人(特に損調部門)は感じることがあると思う。

「代車費用特約」・・・5種類ある代車費用特約のうち、車両の修理日数に応じて定額を支払う「定額払方式」の4特約を廃止し、実際に代車としてレンタカーを借りた場合、その実費を支払う「実損払い方式」のみ残す。


「搭乗者傷害保険」・・・実際の入通院日数に応じた金額を支払う「日数払い方式」を廃止し、ケガの部位と程度に応じた「部位症状別払い方式」のみ残す。


この2特約とも、おそらく「損害率(ロス)が悪い(保険料収入より保険会社が支払う保険金の割合が高い)」特約であり、今回廃止するのは顧客への信頼回復という「不払いの防止」という側面よりも、保険会社側の都合ともいえる「売って損をする特約の販売中止」という側面が強いのではなかろうか。

今回残した「実損払い方式」の代車費用特約などは、契約者が事故時にレンタカーを借りずに、公共交通機関で辛抱した場合など、掛け金(保険料)を支払っているにもかかわらず、保険会社からは一円も支払われないものだ。

ここでは、「新たな不払い」が起こりうる。
事故の際、保険会社側から「お客様は代車特約をお付けですので、レンタカーを金銭的な負担なくお乗りいただけますよ」ということをせず、「契約者が自発的にレンタカーを借りて、保険金の支払を求めてこない限り」支払わないことが想定される。

これは、保険会社の理屈では「レンタカーを実際に借りる」という「保険金の支払事由」が発生していないため「保険金不払いではない」というだろう。

しかし、保険会社側から事故の際に、加入の補償内容を分かりやすく説明し、積極的に「レンタカーを本会社側から手配する」といったことを徹底する「しくみ」をつくらない限り、私は実質的な意味での「保険金不払い」体質から保険会社が抜け出すことはないと思う。


東京海上日動の今回の発表に各社はおそらく横並び的に追随して特約の廃止を打ち出してくるだろうが、それだけに終わるのではなく、保険会社側から、契約者に積極的に保険金の支払の案内をする保険会社が現れることに期待したい。

<フジサンケイビジネスアイより>

東京海上日動が特約統廃合 自動車分野で18種類廃止へ
FujiSankei Business i. 2007/1/16  

損保最大手の東京海上日動火災保険は15日、主力商品である自動車保険で、顧客が選択する付加契約である特約を18種類廃止するなど、2008年2月の契約開始分から保険商品の仕組みを簡素化する方針を明らかにした。損保業界では商品構成の複雑さなどから大量の保険金の不払いが明らかになっており、特約の統廃合で不払いの防止を図る狙い。

 商品簡素化の中心となるのは、契約者が事故を起こした際に代車費用を補償する特約。代車に関する4特約を廃止し「事故時レンタカー費用補償」に一本化する。

 東京海上日動は、自動車保険の不払いが5万4000件(昨年9月末)判明しているが、このうち代車関連特約の不払いが1万件と多かった。特約の設定や保険金支払い方式が複雑になりすぎて支払うべき保険金の把握が困難になっていたためで、商品自体の簡素化によって改善を目指す。このほか、ゴルフのホールインワン特約など自動車保険と直接関係のない特約も一部廃止する。

 すでに12日には、販売代理店に対して自動車保険の統廃合を通知。廃止する特約は契約更改の際になるべく販売しないように求めている。

 同社は個人向けの全特約1700種類を約850種類に削減する方針を打ち出しており、今回の商品の簡素化はこの一環。今後は火災保険や傷害保険などでも同様の特約の見直しを実施する。


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2006年9月30日

損保の保険金不払いはなくならない。

結論から言うと損保各社の保険金不払い問題はなくならない。
損保側の正直なところは、意図的な「不払い」ではなく、担当者の業務知識の欠如による「払い忘れ」と反論したいところだろう。
マスコミのほとんどが「不払い」という表現をしている一方、損保各社のニュースリリースで「不払い」という表現を使っていないことからも、損保各社の本音が見え隠れする。

私も、損保に入社するまでは、保険金支払部門(損害調査部とかサービスセンターという名称の部門)の担当者は、保険商品知識が豊富であるだけでなく、示談交渉に必要な法律知識や賠償理論など専門的な知識を持った人の集団なんだろうと、想像していた。少なくともお金にかかわる業務をするからには何らかの資格を持っているのだろうと。
おそらく保険の契約者も事故を起こした際に担当してくれる担当者は「保険のプロ」と疑ってやまないだろう。
しかし実態は資格制度などもなく、専門知識などないも同然の素人集団だ。

担当者は入社時にちょっと研修を受けて、すぐに現場に配属され、現場でのOJTまかせとなる。
教える上司も専門知識がなかったりすると、教えられるほうもまともな知識は身につかない。
次々に発売される新商品についても、「研修を各現場で行って報告してくれ」という通達が本社から送られてくるだけで、実際にどの程度知識が定着しているかチェックすらしない。
自動車事故を扱う担当者などは運転免許すら持っていないのに、「道路交通法で決まっています!」「判例がありますから!」とあたかもプロフェッショナルのような用語を使って契約者や事故の被害者を威圧する。

損保の採用体制も問題である。
精神的にはきつい仕事なので、離職率は高く、次々に辞めては採用をしということの繰り返しであり、自衛隊OBや取引先の企業を定年退職したおっさんの再就職先として受け入れているような実態である。
失礼ながら60歳前後で初めて損保に再就職し、保険商品知識や法律知識などを身につけろというほうが無理である。学歴で人の能力を判断することは出来ないが、損保の総合職は大卒以上である一方、損調部門の中途採用は高卒でもOKというのも、損調部門を軽んじていることの現われだろう。

金融庁は、損保の保険金支払部門の担当者に何年かごとに更新が必要な資格制度を設け、少なくとも専門知識だけは一定水準をクリアしていることを消費者に保証するしくみをつくるべきであろう。
単に社内でのチェック機能とか人員増員といった対応では保険金の不払いは永久になくならない。

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(以下 産経新聞より)
損保不払い26万件162億円に 大手6社

 損害保険各社の保険金不払い問題をめぐり、損保26社は29日、不払い実態の再調査の結果を金融庁に報告した。東京海上日動火災保険など大手6社は、自動車保険の特約を支払っていなかったなどの問題件数が昨年11月の金融庁による処分時より12万件増加して、約26万件に達した。不払い額も倍増し、約162億円となった。

 金融庁は報告を受けて、行政処分も視野に入れて徹底聴取する。

 従来報告に比べて大幅に増えたのは、搭乗者傷害と自損事故といった複数の支払い理由があったのに、その一方しか支払わなかった事例を精査し直したことに加え、調査対象とする特約を拡充、支払い辞退の意思を再確認するなどしたところ、追加で支払うべき事例が多数見つかったため。

 報告後に6社は日銀内で記者会見し、「商品開発から支払い、チェックまで業務全般に問題あった」(東京海上日動の石原邦夫社長)など、業界の体質問題への反省の弁が相次いだ。

 また、すでに業務停止命令を受けている損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険を除く各社が、不払い件数の大幅増を受けて、金融庁の聴取後、役職員の追加処分を検討する。

 損保の不払い問題は、国内全損保48社のうち26社で約18万件、計84億円超の不払いがあったとして、金融庁が昨年11月、26社に一斉に業務改善命令を出した。しかし、その後も損保ジャパン、三井住友海上で新たな不払いが発覚し、両社は業務停止処分を受けた。

 このため、金融庁は異例の再調査が必要と判断。26社に特約など付随的な保険金の不払い実態の調査結果と再発防止策を、今月末までに報告するよう求めていた。

(09/29 23:27)


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2006年8月20日

三井ダイレクト 電話サポート切捨ての暴挙

2006年8月17日付日経新聞記事に「三井ダイレクト損保、ネット専業に衣替え」という記事が掲載された。
これまではインターネットだけでなく、電話でも見積もりや補償内容の相談をしていたのを止めて、インターネット完結型に特化するというものだ。

自動車保険は補償内容が複雑で一般の顧客にとって理解することが難しい。
自由化以降、特に様々な特約が登場し、販売する側の保険会社の社員ですら
正しく補償内容を理解しているとは自信を持っていえないほどのものである。

そのため、既存の保険会社は「代理店」によって、通販型でも電話によるサポートが
欠かせないといわれていた。
そんな中、三井ダイレクトは電話でのサポートを切り捨て、インターネットに特化するという
思い切ったコスト削減策に打って出た。
ITに強いイメージがあるソニー損保ですら、インターネットに特化することはせず、
むしろ事故対応のサービスセンターを全国に増設するというビジネス展開を取ってきていた。

三井ダイレクトは通販の中で圧倒的に安い保険料水準といわれてきたが、
それを維持し続け、さらに価格競争力を高めるためには、顧客への電話サポートを切り捨てる必要があると判断したのだろう。

だが、果たして電話サポートなくして顧客は正しく補償内容を理解した上で、三井ダイレクトの保険に加入することができるのだろうか?
複雑な商品を販売する以上、補償内容を顧客に正しく理解してもらうことは保険会社にとって最低限の企業責任であると私は考える。
昨今の三井住友海上の営業停止処分が出た保険金未払のようなことにつながらなければ良いのだが。

また、コスト削減に取組むことは否定はしないが、このままでは事故対応までそのうちインターネット専業とかいいだしかねない。


(日経記事より)
三井ダイレクト損保、ネット専業に衣替え
 三井ダイレクト損害保険はインターネット専業の保険会社に衣替えする。10月末メドに契約の申し込みから変更までをネットで完結できるようにする。新契約の約85%がネット経由になっており、経営資源を集中する。
 自動車の買い替えなど契約内容の変更もネットで対応できるようにする。これに伴い顧客対応の窓口だった約300人のコールセンターの規模を縮小し、人員をメールによる相談やネット操作の相談の担当に振り向ける。
[8月17日]


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2006年7月 9日

ソニー損保 2005年度決算

ソニー損保が2006年5月24日に2005年度の決算を発表した。
自動車保険単独の契約件数はわからないが、分母がかなり大きくなってきているにもかかわらず収入保険料は対前期120%と順調な契約の伸びである。
ダイレクト損保では「3年連続売上1位」であるが、おそらく4年連続1位はほぼ間違いないだろう。

自動車保険の年齢条件や特約の商品ラインナップが他のダイレクトと比べると貧弱だが、そこが弱点といえば弱点だろう。
あとは、もともと通販の中ではロードサービスや事故対応のスペックは高いと評価しているのだが、開業当初からそれほどサービス内容や事故対応体制が変わっていないのが気になるところでもある。
他社が徐々にではあるがソニー損保にサービス内容や事故対応体制の面で追いつきつつあるがそういった他社の動向に無関心なのだろう。こういった慢心が落とし穴といえるかもしれない。

久々にここの会社のサイトを見たが、「お客様とソニー損保のコミュニケーションサイト」というのがいつの間にかオープンしている。
このサイトについてはいろいろと突っ込みどころと、評価のしがいがありそうなので、近いうちにコメントしたい。


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<以下 ニュースリリースより>
業績の状況

◆ 正味収入保険料と保有契約数の増加

主力商品である自動車保険、ガン重点医療保険ともにご契約者数が着実に増加し、2006年3月期決算での正味収入保険料は45,278百万円(対前年同期比:約120%)となりました。自動車保険とガン重点医療保険を合わせた保有契約数は前年同期より約15万件増加して80万件を超えました。


◆ 経常損失・当期純損失の縮小

業務の効率化などにより正味事業費率は前年同期より約4ポイント改善の30.3%となった一方で、正味損害率は前年と同水準(52.3%)で推移したため、経常損失は前年同期より約20億円縮小して764百万円となりました。当期純損失は前年同期より約15億円縮小し441百万円となり、着実に黒字化に向けて伸展しています。また、ソニーグループの連結決算で適用している米国会計基準(*)では、2004年3月期決算で黒字化して以来、順調に黒字額を拡大しています。


◆ 諸比率について

正味事業費率と正味損害率を合算した率(コンバインドレシオ)は前年同期より約4ポイント改善し、82.5%でした。また、ソルベンシー・マージン比率は2006年3月末時点で976.1%となり、保険金の支払能力に問題がないとされる基準である200%を超える、十分な支払余力を保持しています。

2005年度の主なトピックス

●「ガン重点医療保険SURE<シュア>」の商品改定 (2005年5月) 

従来1タイプのみの販売だった終身型のガン重点医療保険商品について、保障を絞り保険料を低廉に設定した「SUREベーシック」と、保障が幅広く手厚い「SUREワイド」の2つのタイプに改定し、お客様の多様なニーズにお応えできるようにしました。


● 国内の損害保険会社初の「ISMS」「BS7799」の認証取得 (2005年5月)

保険商品のダイレクト販売を取扱う本社関連部門の業務および社内システムに関する企画・構築について、情報セキュリティマネジメントシステムの標準規格であるISMS適合性評価制度認証基準(Ver.2.0)、および、BS7799-Part2:2002の認証を取得しました。


● ウェブサイトの変更手続機能の充実 (2005年10月) 

ご契約後の引越しに伴う住所変更などの変更手続がインターネットでできるよう、ウェブサイトの手続きに関する機能を充実させ、顧客利便性向上を図りました。


● 顧客満足度のさらなる向上をめざした、「不満足度調査アンケート」開始と不満解消への取組み(通年)

「満足」と評価してくださったお客様にも、ご満足いただけていない点をあえてお伺いする「不満足度調査アンケート」を開始しました。お客様からご指摘いただいた点については改善策を検討し、顧客満足度のさらなる向上をめざして取組みを進めています。また、改善への取組状況については、担当者がウェブサイト(2006年4月新設の「お客様とソニー損保のコミュニケーションサイト」)で定期的に報告していきます。


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2006年6月17日

そんぽ24 2005年度決算発表!

久しぶりのエントリーです。
私事ですがちょっと前に会社をやめました。
今度は損保会社ではありません。
しかしながら、今後も損保のニュースを中心に感じたことなどを書いていきたいと思います。(いつのまにかライブドアブログの管理画面が変わって使いにくくなっていますので、近いうちに引越しするかもしれません)

さて本題です。
そんぽ24の2005年度(平成17年度)の決算が5月24日発表となった。
注目の正味収入保険料(一般企業の売上にあたるもの)は、対前年比で4.1%の増収率で、6,644百万円となった。

1年前の2004年度末が6,383百万円であったが、この1年間でわずか261百万円しか増収していないことになる。

2005年11月22日の中間決算発表時の2006年3月期の業績予想では、7,000百万円としていたが、それすらも下回る結果となった。
その責任を取って、2006年2月には社長の解任があったが、以前厳しい状況が続いている。

去年の決算発表では正味収入保険料の伸び率の棒グラフが掲載されていたが、今年は掲載していない。

しかしながら親会社の日本興亜損保は中期経営計画で、そんぽ24の2008年度の目標を18,000百万円と現在の約3倍としている。

こんな実現不可能としか思えない数字を、中期経営計画『KAKUSHIN(革新・核心・確信)』という変なネーミングをつけて発表する日本興亜の経営陣は本当に能天気だ。


<以下 ニュースリリース>
平成17年度決算のお知らせ
日本興亜保険グループ そんぽ24損害保険株式会社(代表取締役社長 熊野御堂 厚、以下「そんぽ24」)の平成17年度(平成17年4月1日~平成18年3月31日)の決算についてお知らせいたします。

業績の概要

■ 損益の概況とソルベンシー・マージン比率の状況
正味収入保険料については6,644百万円となり、前期と比べて4.1%増収、その他収益を含めた経常収益は順調に拡大しています。また、コールセンター対応能力増強のため、システム整備ならびにオペレーターの積極採用を行ったことなどにより、正味事業費は6,182百万円となり、前期と比べて9.1%増加しています。この他、正味支払保険金3,619百万円などと合わせた経常費用は10,061百万円となり、前期より5.1%増加しました。その結果、当期純損失は3,400百万円となっています。
なお、ソルベンシー・マージン比率は、2,618.7%と高水準を維持し、十分な支払余力を確保しています。


平成17年度トピックス

■ 朝日生命による当社自動車保険の販売開始について
当社と朝日生命保険相互会社(以下、朝日生命)とは、業務の代理等に関する委託契約を締結し、平成18年1月より、朝日生命の営業職員を通じて、当社自動車保険の募集・販売を開始いたしました。
当社は、今後も販売力の強化を進め、自動車保険の販売拡大を目指していきます。

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2006年4月23日

損保会社ランキング(週刊 東洋経済)

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