2009年5月アーカイブ

先日、海外旅行保険を発売していることを発見した。

よく見るとジェイアイ傷害火災保険との提携による海外旅行保険のようだ。
「なぜソニー損保が海外旅行保険?」という話はさておき、海外のサービスネットワークの開拓を考えると、他社との提携というのは妥当な選択だろう。

恥ずかしながら私は自動車保険以外の知識は持っていないので、「元損保社員」というよりも一人の消費者としての目線でコメントしてみる。


■保険料は安くない

私はここ最近、年末年始と夏休みの年2回程度海外(といってもサイパンやハワイあたり)に遊びに行き、いつも損保ジャパンのOFFに加入している。

完全に同じ条件で見積れないので、正しい比較ではないのだが、何パターンか見積ったところ、損保ジャパンのOFFのほうが補償を厚くしてもだいぶ安い。
価格勝負のある海外旅行保険ではないようだ。


■商品の強みが何かわからない

おそらく「日本語サポート」をウリにしたいのだろうが、損保ジャパンやAIUなどの保険会社の海外旅行保険で「日本語サポート」が不十分なところはないだろう。
差別化するポイントがちょっと違うのではないかと思う。
何がこの保険商品の強みなのだろうか?私にはわからない。


■補償の名称がわかりにくい

まず第一印象として、補償の名称が非常にわかりにくい。
特に「傷害・疾病治療救援費用」という補償である。
これを見た一般消費者は何が補償されるとイメージするだろう。

sony0528_01.jpg


私は、まず「旅行先でケガや病気になったとき、誰かが救援に駆けつけてくれる費用」をイメージした。
例えば、海外でハイキングをして、山の中でケガをしたときに、病院までヘリコプターなどで運んでくれる費用を補償してくれるといったものだ。

ただ、約款を読んでみると、「ケガや病気の治療費」そのもののも補償されることがわかった。
おそらく「救援費用」と「治療費用」という全く違った補償内容を「傷害・疾病治療救援費用」としてセットしてしまったことが問題の原因だろう。


海外旅行保険に加入する人が最も重視する補償は、なんといっても「ケガや病気の治療費」の補償だ。この補償がどの項目で補償されるということが、直感的に理解できないというのは致命的だろう。


■補償内容の説明がわかりにくい

補償内容の説明はさらに酷い。
どこを見てもまともな商品説明がないのだ。

例えば、「特長と補償内容」というページの補償内容の説明を見ても、「○○の場合」という言葉が列挙されているだけで、肝心の「何がいくらまで補償されるのか?」ということが記載されていない。

sony0528_02.JPG


そして一番肝心な「見積り」画面での、補償内容の説明の画面も、約款のような文字の羅列で、顧客にわかりやすく補償内容を理解させようという気があるとは思えない。

sony0528_03.jpg


損保ジャパンのOFFなどの競合商品のサイトを研究しなかったのだろうか?

■約款が見つけにくい

各ページ随所に「補償内容の詳細について『約款・補償のポイント』をご確認ください」という表記があるのだが、その肝心の「約款・補償のポイント」がどこにあるのかわからない。(私の探し方が下手なだけなのかもしれないが)

ようやく「見積り・申込み」の手続プロセスの画面にあることを見つけたのだが、どうしてわかりやすい場所にないのだろうか。

これは、海外旅行保険に限らず、自動車保険などソニー損保全体にいえることだ。
SBI損保や三井ダイレクトなどは各商品のトップページに約款・パンフ・重要事項説明書へのわかりやすいリンクがある。

ソニー損保のウェブは、自動車保険や医療保険の商品サイトを含めて、このあたりの配慮が基本的に欠如している。
こういった気配りのなさが会社全体の印象を悪くすることに気がついていないのだろうか。

■「約款・補償のポイント」のPDFがそもそもない

「約款・補償のポイント」が補償内容について書かれた重要なものであるにもかかわらず、小さなポップアップウィンドウの中でスクロールしながらしか見ることが出来ない。

「約款は郵送しません」とのことだが、そうであればなおさらPDFでダウンロードして印刷できるようにしておくべきだろう。


■ブラウザがInternet Explorerしか使えない

私は普段、Firefoxを使っているのだが、これだと見積りどころか、「お問合せ先」や「よくあるご質問」すら見ることが出来ない。

sony0528_04.jpg


どうやらWindowsのInternet Explorerしか使えないようだ。
Macユーザーは加入できないし、もし海外旅行先でトラブルにあって、契約内容を確認したい場合など、海外で使うPC(ネットカフェやホテル・空港の公衆PCなど)のブラウザがWindows+Internet Explorerである保証はない。

海外旅行保険で、しかも証券不発行のペーパーレス契約をさせるのであればなおさら利用できるブラウザは通常より広くしておくべきだろう。極論すれば、ipod touchなどのモバイルのブラウザでも使えてもいいはずだ。


■その他

「新型インフルエンザ」が話題になっている中、こういった状況下で海外旅行保険を検討する人は「新型インフルエンザにかかった場合、補償されるのだろうか?」ということが気になるだろう。

しかしながら、ソニー損保の海外旅行保険サイトにはトップページはおろか、「よくあるご質問」にも一切記載されていない。
(約款を読んでいないが)たぶん補償されるのだろうが、多くの消費者はどこにも書いていないと、「補償されないのでは?」と不安になり、この保険を選ぶのを躊躇するだろう。

たとえば損保ジャパンのOFFなどは、トップページの目立つ場所に表記されている。
これなら、ぱっと見た瞬間に安心感をあたえる。


japan0528_01.jpg


ウェブならこの程度の情報はすぐに掲載できるはずだ。
にもかかわらず、これをしないソニー損保には疑問を感じる。

■総評

サイトのデザインはきれいで第一印象では好印象を持ったが、結論としてこの保険を選ぶメリットが感じられかった。

一番の問題は、商品の補償内容の説明が、消費者にとって非常にわかりにくいことである。(特に保険料見積り画面のポップアップウィンドウ)

間違った説明がないかという観点や、コンプライアンス上の観点でのチェックは当然しているのだろうが、「消費者にとってわかりやすいか」という観点で文言をチェックするプロセスを経ていないのだろう。
これだけ説明がわかりにくい保険サイトは珍しい。


なお、昨日、ソニー損保がセコム損保のがん保険を発売したというニュースをみたが、こちらについては既に辻田幹夫氏が言及しているとおり、発売した意図が理解しがたい。また改めて私もコメントしたい。

辻田幹夫氏のブログで知ったのだが、全労済と共済連が等級情報の交換システム(いわゆる損保VAN)に接続されたようだ。

さっそくダイレクト系ではアクサダイレクトが6月20日よりこのシステムに対応し、インターネットでの見積り・申込みに対応する。


全労済のマイカー共済の契約件数は、推定178万件。
全労済の加入者は、これまで紙による無事故証明書の提出が必要だったり、インターネットで見積り・申込みができても、後で委任状の提出が必要だったりした。
ひどい保険会社では、そもそもインターネットでの見積りができない会社もある。

従来、全労済加入者がインターネット契約をできたのはアメリカンホームダイレクトだけだと認識していたが、アメリカンホームに無事故証明書の手配のために委任状を提出する必要があった。
この委任状の提出がアクサダイレクトではおそらく省略されることになるのである。

全労済の加入者にとってはダイレクト自動車保険の選択肢が増える。
逆に、全労済の178万件の契約をいかに早く取込むか、ダイレクト自動車保険会社間の競争が始まったといえる。

【追記】
チューリッヒも全労済の加入者のインターネット契約をやっていた。
こちらもアメリカンホームと同様にあとで書類を提出する必要があるが、インターネットで見積り・申込みができるためインターネット割引が適用される。

整理すると
・アメリカンホーム
・チューリッヒ
・アクサダイレクト

の外資3社が全労済に対応。

・ソニー損保
・三井ダイレクト
・そんぽ24
・SBI損保

の国内系ダイレクトは未対応といった状況だ。

いつも参考にさせていただいている「保険Walker」さんのブログで、「ソニー損保の人身傷害シミュレーションが不必要な高い補償を勧めている」という指摘が以前からなされている。

http://hokenwalker.seesaa.net/article/42212550.html
http://hokenwalker.seesaa.net/article/117328034.html
http://hokenwalker.seesaa.net/article/119655851.html

そこで、各社の人身傷害が勧めている補償額について調べてみた。


【既存損保各社の人身傷害が勧めている補償額の状況】

・東京海上日動
tk_001.JPG


・損保ジャパン
sj_001.JPG


・三井住友海上
ms_001.jpg


・あいおい
aioi_001.JPG


・日本興亜
nk_001.JPG


・三井ダイレクト
md_001.JPG


・ソニー損保
「人身傷害シミュレーション」
(※サイトに他社のような表がないため、人身傷害シミュレーションで試算)
sony_001.JPG


「おすすめプラン」
sony_002.JPG

【結論】
各社が勧めている人身傷害の補償額は各社とも基本的に相違なし。(年齢別平均賃金を元に各社約款記載の算出方法で計算したものを1000万円単位に数字を丸めているものと推測される)

なお、保険Walkerさんが指摘しているソニー損保については、「人身傷害シミュレーション」は各社と同じ算出方法と推測され、さほど問題だとは感じない。

ただし、「おすすめプラン」の「パートナーセレクト」と「ファミリーセレクト」の「人身傷害:1億円」は算出根拠が不透明。
夫婦といっても若年夫婦から熟年夫婦までいるし、ファミリーといっても年齢の幅は広い。これをすべて「1億円」としているソニー損保はその理由を説明すべきだ。
私は、単に「保険料の単価アップ」という消費者不在のソニー損保の都合のような気がしてならない。

取急ぎのお知らせ。

たった今、気がついたのだが、ソニー損保が海外旅行保険を販売しているのだ。
いつから販売しているのだろうか?
海外旅行保険の発売についてはニュースリリースにも載っていない。


http://www.sonysonpo.co.jp/wcprod/overseas/T0000000.html


ソニー損保のブログ「不満ゼロへの挑戦」を久しぶりに読んだ。
つまらない記事が多かったので最近は読んでいなかったのだが、ちょっといい感じだ。
特に5月14日の「ロードサービス」の記事では、GPSサービスの検討状況について語っている。

この記事のように、開始前のサービスを開発段階から情報発信していく「舞台裏を伝えていく」記事は、読者に親近感を感じさせる。

多くの読者がいるとは思えない、このようなマニアックなブログの読者は、好意的にしろそうでないにしろ、ソニー損保に興味を持っている人たちだ。
その「興味を持っている人たち」に、興味を持ってくれていることに対する感謝として、このような舞台裏的な情報をチラ見せしていくのは、なかなかいいことだと思う。
(もうちょっと具体的な情報が欲しいところではあるが)

ただ残念なのは、コメント欄を閉じていることだ。
コメント欄も、公開・非公開のガイドラインを明示しておき、承認制にすれば、誹謗中傷のようなコメントはそれほど入らないと思う。
企業ブログでコメント欄を開けているところはなかなかないので、難しいのかもしれないが、ぜひやってもらいたいところだ。

5月7日の「事故解決」の記事は、突っ込みどころがある。

コミュニケーションボードは24時間、PCのウェブサイトからだけではなく、携帯電話のウェブサイトからでも書き込みすることができ、ご自宅に戻ってゆっくりと質問を書き込むといったご利用だけではなく、移動中にふと気になったことを携帯電話から書き込むといったご利用も可能です。 弊社からの回答期限は翌営業日中となりますが、お客様のご都合にあわせてご確認いただくことができますので、至急のご用件でなければ非常に重宝いただけると思います。

事故担当者との連絡に使える「コミュニケーションボード」の紹介記事なのだが、なぜ「回答期限が翌営業日中」なのだろうか?
こんなまどろっこしいのであれば、電話をして聞いたほうが早い。
担当者に電話をすれば、その場で回答するようなことを、ネットだと「翌営業日」というのは理解しがたい。

とはいうものの、突っ込みどころもない堅い文章よりも、少しくらい突っ込みどころがあるほうが、企業ブログとしては面白い。

JAFが昨年12月に会員の無料レッカー距離を「5キロまで」から「15キロまで」に伸ばしたようだが、アクサダイレクトも2009年4月15日以降の保険開始日となる契約から、ロードサービスの無料レッカー距離を契約初年度から「35キロまで無料」としてきた。

さらに、工場を顧客が指定しなければ、「最寄の」工場までであれば「距離無制限」としている。


従来は「25000円まで無料」とダイレクト自動車保険で唯一、「距離制限」ではなく「金額制限」としていたが、実質的にどの程度の距離まで無料なのかわかりづらかった。
この問題点を解消する狙いがあるのだろう。
これでチューリッヒの「100キロまで」にはかなわないまでも、ソニー損保をスペック面で上回ることになる。(顧客が工場を指定しなければ、最寄の工場までは「無制限」としている点)

現時点でのロードサービスの無料レッカーのスペック比較としては以下の序列となる。

1位 チューリッヒ(顧客指定先:100キロまで、最寄の修理工場:無制限)
2位 アクサ(顧客指定先:35キロまで、最寄の修理工場:無制限)
3位 ソニー損保(35キロまで)
4位 SBI損保(顧客指定先:30キロまで、最寄の修理工場:無制限)
5位 そんぽ24(顧客指定先:15キロまで、最寄の修理工場:無制限)
6位 アメリカンホーム(顧客指定先:10キロまで、最寄の修理工場:無制限)
7位 三井ダイレクト(最寄の修理工場:10キロまで)

ロードサービスの無料距離は、広告などでインパクトを与えるわかりやすい数値の1つなので、いかに先手を打って、「ロードサービスのスペックNo.1」というイメージを消費者に植え付けるかが重要になってくると考える。




メインサイトはこちら: 「自動車保険を元損保社員が比較ランキング」


(PR)

便利!最大20社の自動車保険見積り!全員に500円分のマックカード!

アクサダイレクト:こちらからの見積りで最大5500円割引

抽選で5000円分の図書券が当たる!価格.comの自動車保険


アーカイブ

最近のコメント