2009年2月アーカイブ

チューリッヒが2008年1月28日にサイトリニューアルした。

チューリッヒの最大のセールスポイントであるロードサービスの訴求を強めてきた改定である。

最も注目すべきは、「ロードサービス他社比較」である。
このような他社比較コンテンツは、ソニー損保のサイトにある「ロードサービス他社比較」というコーナーだけであったが、チューリッヒもこれに追随したようだ。

なお、チューリッヒやソニー損保の「ロードサービス他社比較」についての問題点は辻田幹夫氏のブログで述べられており、ぜひそちらも参照していただきたい。

今回のチューリッヒの「ロードサービス他社比較」ページで、チューリッヒが他社より優れていると訴求している主な項目を見ると
・レッカー100kmまで無料
・キャンセル費用サポート
・ペットケアサービス
・キー紛失時の解錠/キー作成
が挙げられる。

これを見て、なかなかチューリッヒのサービスの見せ方は巧いなと感心させられた。
というのも、どれも発生頻度がそれほど低そうなものばかりで、会社としてのロードサービス業者へ支払っているコストに大きなインパクトを与えていないと推測されるからだ。
要はお金をかけずに、サービスメニューを揃えて高品質感を醸し出していることだ。

レッカー100kmにしても、ソニー損保のサイトをみると35km以内に収まるケースが約96%とのことであり、「100kmまで無料」にしたからといって「35kmまで」と中途半端な距離にケチっているソニー損保より、大幅にコストが増えるものではないだろう。

また、キャンセル費用を負担するのはダイレクト自動車保険のロードサービスではチューリッヒだけであるが、そもそも「レッカーが必要な場合」が前提となっている。
「ホテルなどの宿泊施設をはじめ、航空機などの旅客輸送サービス、旅行予約などのキャンセル費用をお支払いします。」とあるが、旅行の途中でレッカーが必要となるトラブルの発生率はおそらく相当低く、このサービスもまた、さほどコストがかかっていないだろう。
ペットケアサービスなども「お金はかけず、サービスメニューを揃える」の典型である。

しかし、一般消費者にとって「チューリッヒのロードサービスはすごい!」というような印象を与えているものだとすると、このようなサービスメニューを開発したチューリッヒの営業戦略は優れていると評価したい。

単なる付帯サービスにすぎないロードサービスが、会社によってここまでスペック差が出てきているのは、ロードサービスを「マーケティングのための武器」と会社が認識しているか、それとも「他社対抗上やっているサービス」と認識して、コストセーブしか考えていないような会社との違いだろう。

チューリッヒがロードサービスのスペックのリーディングカンパニーとなったいま、他のダイレクトの動向に注目していきたい。

ちょっと前の話だが、2009年1月19日、ソニー損保がペット保険を販売開始した。

不思議なのだが、ソニー損保のサイトに行っても、ペット保険の商品ページが見当たらない。サイトマップにもない。

しかし検索で「ソニー損保 ペット保険」と検索すると、「ソニー損保が厳選したペット保険。 全国4000の提携病院なら見せるだけ!」というソニー損保のペット保険サイトの広告が表示され、そこをクリックするとたどり着くことができる。(「見せるだけ!」というのは意味がよくわからないが)

ソニー損保のサイトからリンクがない一方、お金がかかる広告を出しているという理解しがたい導線設計を見ると、売る気があるのかないのか、まったくソニー損保の意図がわからない。

「ソニー損保がペット保険を販売」というニュースを聞いて非常に驚いたのだが、よく見れば「アニコム損保」のペット保険を、ソニー損保がアニコム損保の代理店として発売しているだけである。

辻田幹夫氏のブログにもあるが、ペット保険という特殊なノウハウが必要な保険に新規参入するには、既存のペット共済などを買収することが手っ取り早い。
提携動物病院などのネットワークや保険金の支払査定体制などの構築をゼロから自社でやるというのは莫大な手間とコストがかかるからである。
しかし、ソニー損保はペット保険の販売にあたり、ペット共済の買収ではなく、単に「アニコム損保の保険をおすすめする」代理店をするという手法を取ってきたのである。これであれば商品開発をする手間もかからず、売れなかった場合のリスクも低い。

なお、ソニー損保の「保険セレクション」という他社保険商品の紹介サイトを見ると「Coming Soon」とさらなる商品追加を予告している。


・他社商品の代理店として販売
・自社で開発するのが大変
・自社で損害調査網や提携ネットワークを構築するのが大変

という観点でペット保険の次はなんだろうかといろいろ想像をしてみるのも楽しい。


しかしながら、メンツを捨てて、他の損保の代理店になって、商品ラインナップを揃えていくという手法は、ソニー損保の商品開発力のなさを露呈している。
例えば、自動車保険をみても、いまどき「35歳以上補償特約」や「子ども特約」や「対物超過修理費用特約」も取扱っていない。(他社でスタンダードとなりつつあこれらの特約を揃えない明確な理由があるとは思えない)
保険商品のトレンドの進化にソニー損保が取り残されている状態といっても過言ではない。
この手法を応用して、自社で商品開発できない対物超過修理費用特約などのソニー損保で扱っていない特約を希望する顧客には、ソニー損保が「そんぽ24」や「三井ダイレクト」などの他社商品を紹介すればいいと思う。(ソニー損保が「そんぽ24」や「三井ダイレクト」の代理店になるということはないとは思うが)



メインサイトはこちら: 「自動車保険を元損保社員が比較ランキング」


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