2007年12月アーカイブ

三井ダイレクトが12月25日にサイトリニューアルを行った。

なかなか興味深い点があるため、コーナー順に評価していきたい。

まずは、「事故対応時のサービス」の「親身で誠実なサポート」から。

このコーナーでは「事故対応時のサービス」を「親身なサービス」「身近なサービス」「休日でも安心のサービス」の3つに分類している。






■「親身なサービス」
特に以前と訴求ポイントは変わっていないが、三井ダイレクトの特徴的な部分としては、「被害事故専任担当」がある。

要は、0:100の被害事故であれば、どこの保険会社も示談代行できないのだが、そこの部分を「専任担当をつけて相談にのる」というサービスである。

被害事故の相談対応は、三井ダイレクト以外のダイレクト各社もサービスとしてやっているが、「専任担当」とまではしていない。

保険会社は一般的な相談にはのれても、示談交渉をすることはできないので、実際にはたいしたことはできないのだが、「専任担当」という演出は巧いと感じる。




私の経験から言うと、「被害事故」の相談ほど、気楽で、かつ、顧客に感謝される仕事はないと思っている。

しかし会社側は「保険金を払う仕事以外の顧客サービス」は「本来業務ではない」と考えているのか、いくら相談対応で顧客から感謝されても、担当者を評価しないことが多い。

本来は、被害事故の相談対応をした顧客に対して、アンケートを行うなどして、その相談対応がどの程度満足いただけたものか把握して、評価が低い担当者は相談業務から外すなどをすべきではないだろうか。






■「身近なサービス」
このコーナーでは平日時間外の対応業務について、以前より訴求を強めている。

「お客さまからのあらゆるお問い合わせにも平日19時まで(※)対応しておりお仕事後でも安心です。
※一般の損害保険会社は17時までです。」

この「一般の損害保険会社は17時までです」と言い切るあたりは、すごい。
「一般の損害保険会社」の定義はなんだろうか?




「お客さまからのあらゆるお問い合わせや相手との交渉に備え、平日19時までスタッフが待機しています。だからお仕事後でも大丈夫です。「17時以降は連絡がつかなかった」という経験はありませんか?」
平日の問い合わせ対応を19時というのは、誰が対応をしているのか興味深い。
実際の専任担当者が毎日9:00~19:00まで勤務しているとも考えにくい。
採用情報を見ても、事故部門の勤務時間は「9:00~17:00(標準)」と書いてある。

おそらくシフト体制を取って、現地サービスセンターの誰かが19:00まで残っていれるのだろうか?
そうすれば他の担当者の事案でもファイルを引っ張り出して、電話対応をすることができる。

よくあるのが、17:00以降はコールセンターで集中受付をして、オンライン端末の交渉履歴などを見ながら、「ごく一般的な対応」をする会社であるが、実際に事案のファイルを見ながら対応することができないため、実質的には「担当者に申し伝えます」というメッセンジャーくらいの価値しかない。

それと比べると、もし三井ダイレクトが現地サービスセンターの電話を17:00以降も留守番電話に切り替えずに対応しているとすればたいしたものだ。






■「休日でも安心のサービス」
このコーナーは、休日の事故でも、受付だけではなく、初期対応のアクションを起こし、その対応結果をフィードバックするということを訴求している。
ソニー損保の「即日安心365」とよく似たサービスのようだ。


次に「休日お客さま急行」サービスについて。
「誰が駆けつける」かどうか書いていないところがミソだ。おそらく三井ダイレクトの社員が駆けつけるわけでもなく、外注の業者が顧客の要望ベースで面談するというものと思われる。
http://blog.sonpo-direct.com/2005/05/post_17.html

保険会社的には「たいした価値がない」と考えられがちなサービスだが、ダイレクト自動車保険において「お客さま急行」という言葉は、一般の消費者にとっては「よさげなサービス」と映るだろう。

「代理店がない」というダイレクト自動車保険において、「お客さま急行」とか「面談」というキーワードは、今後、事故対応の差別化を考える上で欠かせないものになってくると考える。






まだまだ書くネタはあるのだが、とりえあず今回はここまでにする。

またまた独り言。

以前からよく覗かせていただいている現役損保社員の方のサイトに、非常に心打たれる記事が掲載されていた。
「東京海上日動社作成の小冊子『こころから』」

東京海上日動社の全国の損害サービス部門(事故対応部門)の担当者の生の声を集約したものとのこと。こんな素晴らしいものを社内冊子として配布できる東京海上日動社。
これが東京海上日動社の奥深さなのだろう。


ソニー損保の「事故解決スペシャリストたちの声」
も東京海上日動社の「こころから」と同じように、事故担当者の生の声を掲載している。
これも社外向けというよりも、むしろソニー損保の社内の事故担当者たちへのメッセージなのかもしれない。

事故担当をしたことがある担当者なら、誰しも一度はここにあるような気持ちを持ったことがあるはずだ。
しかし、その感情を持ち続けている担当者はどれだけいるだろうか。
日々の業務、クレーム処理、不払い対応などに追われるうちに、いつの間にか忘れてしまっていないだろうか。

私自身はすでに損害保険会社を去った身だが、これらの言葉を読んでいるうちになんともいえない熱い気持ちがこみ上げてきた。

自動車業界専門のコンサルティング会社「住商アビーム」のメルマガに、今後の自動車保険のあり方のヒントとなりうる非常に示唆に富んだ記事があった。
自分の備忘録をかねて、記事の中から特に印象的なセンテンスをピックアップしておく。



「人間ドックで行われる検査や問診のようにプロの目線でお客さんの目には見えないクルマの内側を診断した結果を顧客に分かり易い形で伝えるサービス」

「自動車整備にはブラックボックスがつきまとうもの」

「顧客側は不安・不満を感じているのに現象が再現できないからという理由で放置された場合、いずれも顧客はプロのサービスとその対価に懐疑心を抱きがちである。」

「顧客の懐疑心を払拭するために敢えてプロの手の内を明かすものであり、「納得感の見える化」を行なう」

「「納得感の見える化」とは、・・・・「標準化」(誰でもどこでも同じ成果を得られる)、「シグナリング」(不安・不満に対する保険・補償がある)、「情報開示」(不安や不満の源泉にある売り手・買い手間の情報の非対称性を取り払う)の 3 つの手法がある。」

「「どこを直しておきました」という情報だけでは成り立たないのは当然のこと」

「全て相手の視線に立って、相手が聞きたい話を相手が聞きたくなるように話すこと」


現状の自動車保険で、これに近いことを考えているのがソニー損保だろう。
以前より、事故の交渉経過をインターネットで「見える化」している。
さらに、同社は事故処理プロセスに「インフォームド・コンセント」という手法を取り入れているとのこと。
「インフォームド・コンセント」のような考え方は、昔から「できる担当者」は自然とやっているものだが、ソニー損保はどうやってこれを標準化しているのだろうか。

しかし残念ながら、具体的にどのようなツールを使って、どのように「インフォームド・コンセント」を標準化されているのかまでは明らかにされていない。
個人的には非常に興味がそそられるところである。

もしどなたか、ソニー損保の「インフォームド・コンセント」がどのようなものか、情報をお持ちであれば、ぜひお教えいただきたい。



メインサイトはこちら: 「自動車保険を元損保社員が比較ランキング」


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